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あけましておめでとうございます

ネットフリックスで2015年公開の映画、「帰ってきたヒトラー」を見ました

約2年前に公開された映画、帰ってきたヒトラー
よくあるテレビの映画紹介番組なんかでは「ヒトラーのそっくりさんが演じるコメディ映画!」というような笑えるような映画として宣伝されていたのを覚えていて、ネットフリックスで公開されたのもあって見てみることに

見てみる前は例えるなら、「バキ」シリーズの宮本武蔵みたいな感じで現代の技術にヒトラーが驚き続けるコメディ映画かと思ってたんですけど、実際はかなり違って
メリル・ストリープ主演の「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」みたいな、見る前にちょっと勉強がいるシリーズの映画。

というわけで、この記事では「帰ってきたヒトラー」を見る前に覚えておいたほうがいい情報を自分が知る限り書いておこうと思う
まず、この映画を見ているときに目につくのは出演者の目に黒塗りされていたり、顔にモザイクがかかっているシーンが存在する、ということ
コメディ映画 (一応この映画もコメディ映画ではあるけど) ではギャグとして目線やモザイクが使用されることはあっても、ギャグでもないシーンで使用されるこの映画に違和感を覚えることもあると思う

この映画の1/4程度を占めるヒトラーと一般人が喋るシーンはアドリブである
途中でちょっとした乱闘騒ぎのシーンがあるけれど、あれももちろん台本なんか存在しないし、目線の入っている人は「ヒトラーの姿をするなんて!」と本気で怒っている人たちなのだ

少し話が変わるけれど、このアドリブシーン。役者 (オリヴァー・マスッチ氏) の努力がスゴイな、と
例えば台本の決まっているドラマであれば。相手が役者であれば。
台本通りに喋れば台本以外の情報を知らなくても演じる人間になることが出来るだろう

でもアドリブでは台本なんか存在しない。ましてや一般人相手のアドリブであれば難易度はさらに上がるだろう
つまりオリヴァー氏は自分のことのように、さも当たり前にヒトラーのことを知っていなければならない
とてつもない努力をした演技、まさにヒトラー本人と言っても過言じゃないだろう

顔が似てるだけの別人?いいや、彼は確かにヒトラーでした
映画本編でもコイツマジでヒトラーなんじゃないの?って疑うシーンがあるせいで余計にマジでヒトラーなんじゃね?って思えてきちゃうし。

話を戻します。
この映画の1/4は一般人とのアドリブで出来ている、とは上記に書いた通りで、映画の中ではリアルなドイツ市民の意見、不満、そういったものに触れることが出来る
というわけで撮影が行われた2014年当時から、2017年後半辺りまでのドイツの情勢について軽く触れておく
僕自身腰を据えて調べたわけじゃないんでここが違うとか重箱の隅をつつくようなコメントはしないでね。

2015年にドイツ メルケル首相が北アフリカ紛争地域からの100万人規模の難民の移入を行いました。
詳しく知りたい人は2015年欧州難民危機を読んでね。
で、これによって何が起きたのかというとドイツ人と文化の違うアフリカ人、イスラム教がやってきたことによりドイツ人の生活は荒らされ、不満が募る結果となりました
ちょっとした無政府状態・・・とまでは行かないけど、治安の悪化、犯罪率の増加などが起きました
結局これは2017年のISISによるEU圏でのテロ事件へと発展していくんだけれど、それはまた別の話

とにかく2014年ごろのドイツは政府に対して国民の不満が高まっているという状況
そこにヒトラーが現れて国民の不満に耳を貸し、テレビを通じて演説を行い、ドイツ国民を扇動する というのが「帰ってきたヒトラー」のあらすじなわけですね

はい、というわけでお話の大筋、背景は分かりました。
じゃあ細かい話、具体的に言えばヒトラー本人の話へと移りましょう

途中で似顔絵を描いて路銀を稼ぐ、というシーンが存在します
極悪非道、残虐卑劣、血も涙もない悪魔というイメージが強いヒトラーですが実は驚くことに普通の人間で、元々は画家志望でした
しかし美術大学で人物画を描いてこいと言われたのに風景画を描いてきて落第
「これはユダヤ人のせいだ」とブチ切れて政治家を目指すのが始まりです。意味わかんねー?実際そうだからしょうがねーだろ
ちなみに最近になって「美術大学へ合格させていればナチスは生まれなかった。合格させなかった大学側はクソ」とかいう無茶苦茶な批判が起こっているとか起こっていないとか

で、映画ではヒトラーはヘッタクソな似顔絵を描いて笑いを誘うんですがこれは別にオリヴァー氏がヘタというわけではなく、実際ヒトラー自身が人物画が苦手だったという史実から来ています
もちろんオリヴァー氏よりは上手いとはいえ、風景画と比べると若干見劣りしますね

そして、この映画スゴイ映画だな と思ったのが映画の中で演説を披露するシーン
テレビでコメディアンとして出演したアドルフ・ヒトラーですが、檀上に立ったまま喋ることなくじっと観客たちを見つめ続けます
それに対して他の人たちが「緊張で頭が真っ白になったのか?」と不安になるシーンがあります

これ、実はすごくて実際ヒトラーが演説するとき黙って民衆の前に立ち、注目を集めてから話始めました
さらに民衆に対し恐怖をあおり、敵を作りました。
最後に22時に電撃放送をする!といったのにも意味があり、人々が疲れて思考力が鈍くなっているとより演説の効果が増すことをヒトラーは知っていたのです


ヒトラーの演説の様子はこちらから

つまり何が言いたいのか、というとですね
「帰ってきたヒトラー」の演説は完璧です。

とりあえずこんなところでヒトラー本人の話は終わるとして、もう一つ知っておきたいのは「ヒトラー 最後の12日間」という映画のワンシーン
これだけでは分からなくても「総統閣下はお怒りのようですシリーズ」という名称でピンとくる人もいるのでは。
分からない人はちょっと目を通しておくと、「帰ってきたヒトラー」で「あ!ここニコニコ動画で見た奴だ!」的な笑いが起きます。




評価として、非常に楽しめました。
現代技術に驚く偉人タイムリップ物のオヤクソクもあり、アドルフ・ヒトラーという人物からよく考えられた脚本、セリフ
中々聞くことの出来ないリアルなドイツ国民の政治的意見
そして何より、マジで本人なんじゃないのかと錯覚させるオリヴァー・マスッチ氏の姿、演技
これは後世に残る傑作映画の一つである、と自信を持って推すことが出来る作品です

個人的にアドルフ・ヒトラーという優れた天才が悪の権化として虐げられ続けている現状に飽き飽きもしていたのもあり
ヒトラーを悪としつつも優れた人物ということを描き切った本作は個人的意見からしても満足な作品でした
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